オウンドメディアはオワコンなのか!?

先日、某有名雑誌のWEB版の某有名マーケッターの対談を読んでいると、オウンドメディアはもう終わった、オワコンだ、というような趣旨の件がありました。

その根拠は、Googleは記事をやたらと増やすメディアの順位を下げる傾向にある、という事です。

昔なら効果があったという事ですので、ご自身が体験していることで、事実なのだと思います。

しかし・・・私の周辺でオウンドメディアを運営している方からは、アクセスを伸ばし、売り上げを伸ばしている声しか聞こえてきません。

果たして、オウンドメディアの様なやり方はもう通用しないのでしょうか?

そもそも、オウンドメディアの定義自体は曖昧

それでは、まず、そもそもオウンドメディアって何?という事から見てみましょう。

Wikipediaではこのように説明されています。

オウンドメディア(英: owned media )とは、自社発行の広報誌やパンフレット、インターネットの自社ウェブサイト・ブログなど、企業や組織自らが所有し、消費者に向けて発信する媒体を指す。「ペイドメディア(Paid Media)」「アーンドメディア(Earned Media)」と合わせて、企業マーケティングの核となる3つのメディアとして認識される媒体といえる。

この説明を読むと、ネットや紙媒体も含め、消費者に向けた情報発信を行う商用利用の媒体、という事になりますね。

そして、「ペイドメディア」「アーンドメディア」と対立する考え方で、企業の情報発信の媒体を分類した時に、自社所有の媒体を「オウンドメディア」と分類しています。

すみません、これでは何だかわかりにくいですね・・・。補足として、Wikipediaから追加で引用します。

概要
オウンドメディアは主に、ウェブサイトやブログ・または電子メールのように、宣伝主体みずからがコントロール可能なコミュニケーションチャンネルを指す。またオウンドメディアに対立するチャンネルとしてのペイドメディアは主に伝統的な広告を、アーンドメディアは購入や所有することができないコミュニケーションチャンネルを指す。

アーンドメディアはソーシャルメディアや口コミなどコンテンツが話題性を得た場合のみ、コミュニケーションを得ることができる。オウンドメディアに対比する意味としては、アーンドメディアは主にPRによる影響が大きいコミュニケーションチャンネルで、メディアとしては新聞・テレビ・ラジオ及びインターネットのようなすべてのマスメディアを含み、ニュース記事またはイベント・コラムなど多様な形式のコンテンツを含む。

という事で、インターネットの分野という事で整理すると、一般的には以下の様に認識されていると思います。

  • ペイドメディア:広告=お金を払えば出せるが、媒体により表現などに制限あり
  • アーンドメディア:SNSでの口コミ=口コミなのでコントロール不能
  • オウンドメディア:HP、ブログ、メルマガ=自社所有なので自由に情報発信可能

いかがでしょう?この分類からすると、自社所有のインターネット媒体は、すべてオウンドメディアと呼んでも構わない様です。

SNSも、口コミが発生した部分は「アーンドメディア」ですが、情報発信媒体と捉えた場合には、オウンドメディアと呼んでも良いような気がします。

発信する情報はコントロールできるけど、コメント付きでシェアされるとコントロール不能というところで、区別しているのでしょうが、それにしても、定義が曖昧です。

つまり、この分類の定義は、企業のコミュニケーションチャンネルを3つの対立する概念で分類した場合に、この様に分類できる、という事です。

ですので、この分類でいうと、商用利用のホームページはすべて「オウンドメディア」という事になります。

・・・何か、我々の認識とはちょっと違いますよね。

全てのホームページはオウンドメディアなのか?

では、全てのホームページは「オウンドメディア」なのでしょうか?

結論から言うと、YESです。本来の定義では・・・。

しかし、「オウンドメディアはオワコン」というような発言は、「ホームページはオワコン」という趣旨ではないと思います。

では、どの様なホームページが「オウンドメディア」と呼ばれているのでしょうか?

世間一般では、ブログ型の、ある情報に特化したコンテンツ重視のホームページを「オウンドメディア」と認識しています。

どうやら「オウンドメディア」というキーワードが独り歩きして、本来の意味とは異なる意味で定着してきている様です。

企業のニュースリリースでも、「〇〇のオウンドメディアを始めます!」という発表も良く聞かれます。

でも、普通のホームページとオウンドメディアの境目っていったいどこなのでしょう?

「これはオウンドメディアです」と発信側が言えば、「オウンドメディア」なのでしょうか?

それでは、「オウンドメディア」という言葉がない時から専門的な情報発信を行ってきたホームページは「オウンドメディア」と呼ばないのでしょうか?

この様な状況ですので、一言で「オウンドメディア」といっても、どんなホームページについて語っていることなのかは、本人のみぞ知るところなのかもしれません。

ですので、冒頭の「オウンドメディア=オワコン」という発言も、本人に確認しないと、本当の趣旨は分からないですが、文脈からはいわゆる情報発信型のホームページを指している様です。

オウンドメディア=オワコン発言の趣旨は?

それでも、もう少しこの発言について考察してみたいと思います。

そもそも、情報発信に特化したホームページ=オウンドメディアが流行っているのは、GoogleでSEOがし易いからです。

単語を分析した検索順位付けが中心だった時代から、AIテクノロジーを活用した文章、サイト全体の解析ができる様になってきているのでしょう。

詳しくは中の人しかわかりませんので、これはあくまで推測です。

では、この先はどうなるのでしょう?

オウンドメディアを運営していると、SEOが比較的容易ですが、これは誰にでも同じ、ライバルサイトも上位表示しているあなたの記事を狙って対策を打ってきます。

この場合の対策は、「ライバルサイトのキーワードを文章構成を分析して、自分のサイトに足りない情報は足す、もうちょっと気の利いた内容も足す」というものです。

あるキーワードでは、上位のサイトにこのようなライバルサイトたちがずらっと並んでいて、コピペとは言わないまでも「あれ、全部同じ内容じゃん」ということがあります。

さて、Googleはこの様な状況を好ましいと思っているのでしょうか?あまり、検索結果に同じようなものが来てユーザーが混乱すると考えないのでしょうか?

今までの傾向から、当然、遠くない将来に対策してくるでしょう。

恐らく、現在はその判定基準をどうするか、検証している段階だと思います。

検証、つまり、データを集めているのです。

もしかしたら、既にそのようなアルゴリズムも組み込まれていて、明らかに「リライト」というページは順位が上がらなくなってきているのかもしれません。

オウンドメディア=オワコンと感じている方は、その様な状況を体感しているのではないかと思います。

避けた方が良い「リライト」

一部のオウンドメディアの指南書では、オウンドメディア=リライトという手法を推奨していますが、この様なやり方は近い将来、Googleが排除する可能性が高く、あまりお勧めしません。

ライバルサイトの記事の構成要素の分析までは良いですが、参考にするのはそれ位にして、構成については、自身の主張に合わせ組み立てた方が良いでしょう。

繰り返しになりますが、Googleがこのような状況を好ましく思わないのは、過去の傾向から明らかです。

効果が出るから、上位表示し易いからと安易な「リライト」を行っていると、いずれ手痛いしっぺ返しを食らう事になります。

覚えておいて欲しいのは、Googleはそもそも人間が自然に書いた文章を解析して、検索する人にマッチする情報を適切に表示することを目指している、という事です。

人間が自然に書いた文章を、いかに検索ワードに合わせて表示するかがGoogleの課題です。

検索ワードを意識したタイトル付けや章立ては有効ですが、ユーザー目線で分かり易いページ構成を心がけた方が良いでしょう。

結局、オウンドメディアはどうなるのか?

「オウンドメディアはオワコン」発言についてから話がずいぶんそれてしまいましたが、結論はこうです。

「オウンドメディア」という言葉の定義自体が、他のメディアを対比した場合のもので、そもそも曖昧です。

一般的に認識している「オウンドメディア」は、アフィリエイターの方たちが前から作っている情報サイトや、集客を目的としたブログと同じと考えて構わないと思います。

一方、Googleは一貫してその様なサイトを評価していますので、今後も、特定の分野の情報に特化した、今でいう「オウンドメディア」は評価は高いままだと思います。

“Contents is King”です。

オウンドメディアであれ普通のホームページであれ、質の高いコンテンツであればGoogleもユーザーも評価され続けるでしょう。

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