Googleが『モバイルファーストインデックス(MFI)』への移行を発表して久しいですが、皆様、対応はお済みでしょうか?
MFIについては2018/3/27のGoogleウェブマスター向け公式ブログで詳細が発表されています。
いつから?という点については明確なアナウンスがありませんが、既に一部のサイトではMFIへの移行が始まっている様です。
MFIに移行すると、どの様な影響が出るのでしょうか?
コンテンツ
今後はモバイルサイトのコンテンツがGoogleでの検索順位の基準になる
『モバイルファーストインデックス』とは、「モバイルサイトのコンテンツをGoogleでの検索順位決定の基準とする」というものです。
「モバイル版=スマホ対応サイト」については、スマートフォンの普及とともに対応が推奨されていましたので、WEBマーケティングの流れからモバイル対応はある意味常識となっていました。
しかし、問題はその中身です。
スマートフォン=画面が小さいという事で、スマホ向けにコンテンツを書き換えているサイトが多く見受けられます。
このようなサイトは、PCを基準としてSEO対策を行っておりますので、コンテンツを減らした『縮小版』のモバイル版ではPCと同じ順位を維持できるかわかりません。
一方、Googleが推奨してきた『レスポンシブデザイン』のサイトは、基本的にデスクトップ(PC)版とモバイル版のサイトのコンテンツは同じですので、MFIに移行しても、現状の順位を維持できる可能性が高いです。
その他、動的にページを生成する様なCMSを利用しているサイトも、デスクトップ版とモバイル版のコンテンツが同じであれば、レスポンシブデザインと同様、現状の順位を維持できるものと思われます。
『レスポンシブデザイン』のホームページは、すでにモバイル版をインデックスしているという説明もあり、とりあえず様子見になりそうです。
MFIに移行する理由とは
最近では、サイトの閲覧者の50%以上がスマホユーザーですので、モバイル版サイトを基準とすることは当然といえば当然の話です。
MFIに移行する理由は、Googleのウェブマスター向け公式ブログの「モバイル ファースト インデックスを開始します」に詳しく書かれています。ここではそのポイントを整理してみます。
まず、MFIへの移行の理由として、『デスクトップ版とモバイル版のコンテンツに大きな違いがある場合のモバイルユーザーに問題が発生する可能性』を挙げています。
デスクトップ版で詳しく説明していても、モバイル版では短縮している場合には、スマホユーザーが十分な情報を得られない可能性があります。
モバイル ファースト インデックスをモバイル版のページをインデックスやランキングに使用し、主にモバイル ユーザーが探しているものを見つけやすくすること
と定義しています。
検索結果の提供に使用するインデックスは引き続き 1 つのまま
という事ですので、今後はモバイル版のコンテンツが検索順位の基準になる、という事になります。
MFIに移行しているサイトについては、Search Console で通知するとの事ですので、MFI移行されたサイト所有者はすぐに気づくことができます。現時点では、この通知を受け取った方が非常に少ない様です。
Google がモバイル コンテンツを特定する方法については、モバイル ファースト インデックスに関するおすすめの方法に詳しく説明されていますので、こちらをご参照下さい。
MFIへの移行はいつ完了する?
移行は徐々に行われるので、Search Console からの通知が来ないからといって心配する必要はなさそうです。
レスポンシブ ウェブデザインやダイナミック サービングを使用しているサイトでは、一般的にモバイル ファースト インデックスが設定されています。
との記載もあり、レスポンシブや動的生成を行っているサイトは、既にモバイル版がインデックスされているものと思われます。
そもそも、コンテンツが同じなので、変動はないという理解で良いと思います。
以前の『ペンギンアップデート』や『パンダアップデート』では、突然、大幅に順位が変動したため、多くのサイトに影響を及ぼすとともに大混乱しました。
ブラックSEOやグレーなSEOをしていた人は仕方なかったのですが、普通に運営していたサイトも検索圏外に飛ばされてしまうケースも見受けられました。
『モバイル ファースト インデックスに関するおすすめの方法』のページには、サイトの所有者とユーザーの便宜性が確保されるように最大の注意を払います
という記載があります。
今回はそのような混乱が発生しない様に、という配慮というよりは、閲覧者側が混乱しない様に、というニュアンスが見受けられます。
また、今後もモバイル版とデスクトップ版の両方をインデックスして、あくまでも『コンテンツ』を評価するスタンスであると説明しています。
以下、そのまま引用します。
モバイル ファースト インデックスは、コンテンツのランキング方法ではなく、コンテンツの集め方に関するものです。コンテンツが モバイル ファースト インデックスによって集められたものであったとしても、その他の方法で集められたコンテンツやデスクトップ版のコンテンツに比べてランキング優位性があるというわけではありません。 さらに、デスクトップ版のコンテンツのみをお持ちの場合でも、コンテンツは引き続きインデックスされます。
余談ですが、以前のアップデートで大混乱した際と今回の対応を比べると、このような慎重な対応が可能になったのは、ハードウェア環境の大幅な性能向上とAIの影響が大きいのではないかと思います。
MFIの要点をまとめると・・・
『モバイル ファースト インデックスを開始します』のページの最後に要点がまとめてありますので、そのまま抜粋します。
- モバイル インデックスを、より広範に展開します。 この方法でインデックスされたとしても、ランキング優位性はなく、モバイル フレンドリーの評価とは独立して動作します。
- モバイル フレンドリーなコンテンツは、モバイル検索結果の成果を上げる方法を検討しているウェブマスターにとって役立ちます。
- コンテンツを高速に読み込むことは、モバイルとデスクトップ両方のユーザーにとってより良い成果を上げる方法を検討しているウェブマスターにとっては、依然として役立ちます。
- いつものように、ランキングには多くの要素を使用します。 他の多くの信号が最も関連性の高いコンテンツであると判断した場合は、モバイルフレンドリーでないコンテンツや、読み込みが遅いコンテンツをユーザーに表示することがあります。
下線部こちらで追加しましたが、今回の移行で最も重要と思われます。
このまとめで、以下の様に今回のMFIの影響の重要な点が確認できます。
- MFIはランキングに直接影響はしない・ランキング優位性はない
- モバイル フレンドリーなコンテンツの方がモバイル検索では上位表示される可能性が高い
- コンテンツの読み込みスピードを重視
- モバイル フレンドリーや読み込みスピードよりもコンテンツが優位性を重視することがある
今後もMFIの様な移行が起こる!?
今回はスマホユーザーが増えたという事で、MFIへの移行が行われました。
今後、ホームページを閲覧するデバイス(機器)の主流がどうなるかはわかりません。
ホログラム投影などで、目の前の空間に画面を投影して、複数のページを同時に表示するようになるかもしれませんし、脳波に直接信号を送り込んで情報を伝えるなど、まったく予想がつかない方法になるかもしれません。
しかし、ホームページの閲覧環境が変わっても、WordPressなどのCMSを利用して管理していれば、デザインテンプレートを入れ替えるだけ、複数のデバイス表示に対応することができます。
現時点で、ホームページの制作や管理にWordPressを採用することは、導入・維持・管理コストや労力の面からも、一つの『正解』と言えます。